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 君にならびて、共に

 

 

 

 
 その一閃は空気をも切り裂いた。メリアドールに対峙した相手の剣の一薙ぎは彼女の武器と鎧を壊すのに充分であった。彼は剛剣の使い手だった。相手の装備を破壊する剛剣、剣技の一種であるが、それはかなり特殊なものであった。表向きは相手の武装を解除することにより、相手に降伏を促すという手法を用いる。相手の懐に直接斬り込む野蛮な剣技ではないと、剛剣の使い手たちは云った。彼らの多くは信仰をもった騎士たち、神殿騎士団に属していた。そうはいえども、実際は聖剣技に代表される他の剣技と何ら変わりはない、戦場で命を奪い合う騎士どもの使う危険極まりないものであった。砕かれた武器は持ち主の手に突き刺さり、叩き壊された鎧は服を破き、皮膚を傷付ける。
「すまなかった、メリアドール。大丈夫か?」
 声の主はディバインナイトの一人、いわばメリアドールの同僚だった。
「いいえ、模擬戦だからといってメンテナンスを怠った私悪いのよ。あなたに非はないわ。これが戦場だったらとっくに私は斬られてるわ」
 そういいながらも、彼女の身体は傷だらけだった。血にまみれた両の手で、必死に鎧の破片で傷ついた脚をかばっている。着ていた深緑のサーコートは裾が破れていた。そこに点々と深紅の染みができていた。大丈夫、大丈夫、そうはいっても彼女一人では立つことも難しいようだった。
「誰か、人を呼んでくれ! 怪我人がいる! はやく施療院に――」
 騎士が叫ぶと同時に、偶然そこを通り掛かったと見える長身の魔道士がメリアドールの側に寄った。年若い青年ながらも、彼が着ている服からは相応の位を持った魔道士であることが伺える。それもそのはず、彼はイヴァリースでソーサラーの称号を持つ数少ない魔道士の中の一人であった。魔道士らしく白のローブを緩やかに羽織り、精緻な刺繍が施された帯を腰に締めている。訓練場の石畳の上にカツカツと靴音を響かせながら歩いてくると、ローブの裾が汚れるのも構わずに、崩れるように座り込むメリアドールの隣りにしゃがんだ。
「何事だ?」
「訓練中の模擬戦の事故でして……」
 答える例の騎士に、そんな事を聞いているのではないと魔道士の青年が目で制す。
「私が彼女を施療院まで運ぼう」
「クレティアン? 私、一人で大丈夫よ?」
 やんわりと拒否したメリアドールを無視するとクレティアンはそのまま彼女を軽々と抱き上げた。ここを片付けておくように、と言い残すと急ぎ足で施療院へと向かった。

 

 
 何故こんな事態になったのだろうと、メリアドールは訝しんだ。騎士に傷は付き物。生傷は耐えず彼女の肌につきまとった。だが、ここまでの深手を負ったのは初めてだった。大丈夫、そうはいったものの、彼女の身体の傷は疼いていた。全身の力が抜け、自力で歩けない程であった。もしここが、一寸の間断なく弓矢の降り注ぐ戦場であったなら、自分のような者は真っ先に切り捨てられるのだろうとメリアドールはぼんやりと思った。だがここは死に物狂いの激戦が繰り広げられる戦場ではなく、静かで平和な島ミュロンドであり、傷ついた騎士も見捨てられることはなく、むしろ優しく抱かれていた。
「ね、降ろして、ってさっきから言ってるんだけど?」
「何か不満でも? ふ、素直になればいいものを……」
 クレティアンの腕の中でぶつぶつとメリアドールは不平をこぼしていた。施療院まで運ぶと自ら買って出た彼は、急ぎ足ながらもメリアドールをしっかりと抱いていた。一方メリアドールは自分で歩けない自覚はあり、満更でもない様子で大人しく抱かれているのであった。
「恥ずかしいのよ。もしこんな姿を誰かに見られたらと思うといても立ってもいられなくの」
「なるほど、私に抱きかかえられるのが恥ずかしいとは、それは嬉しいことを言ってくれる」
「違うわ! 誤解しないで頂戴。私はもう一人前の騎士になったのよ。あのディバインナイトにね。剛剣を使う身なのよ、それが、あろうことかその剛剣によってこんな怪我をするなんて……みっともないじゃないの」
 口こそ達者にクレティアンと言い合っていたが、実際は身体中がもう疲労の限界近くまで達していた。ほぼ無意識的に彼女は身体をクレティアンに預けていた。
「そんなに人に見られるのを気にしてるなら、ほら……」
 クレティアンはメリアドールの頭をそっと胸に近づけた。他人に彼女の顔が見えないように腕の裾で彼女を覆い、人目に配慮してくれたのである。
 メリアドールは顔が火照るのを感じた。身体も熱い。ぼうっとするのは怪我のせいだろうか。いやそれだけではない。その感情には薄々気付いていたが、あえて無視していた。クレティアンの胸に顔を埋めると、古びた書物の香りがうっすらとした。魔道書やら研究書やらに埋もれてるせいね、そうメリアドールは思った。実に魔道士らしい。幾重にも折り重なった歴史の放つ、莫々たる香り。それに比べて自分の何と汗臭いことか。今なお止まらず流れ続けている血でどれほど彼の白いローブを汚していることか。そんなことをぼんやりと頭の片隅で気にしていた。
 だがしかしそんなことを考える余裕もだんだんとなくなりつつあった。クレティアンがメリアドールの耳に一言、二言ささやき優しく抱き締めた。それが何だったのかも分からず、ゆっくりと眠りに落ちるようにメリアドールは意識を失った。

 

 
 気がつくとベットの上だった。どうやら自分は無事に施療院まで運び込まれたらしい。四肢を動かすのもだるく、ベッドの上で寝転んだままあたりを見回した。
「おや、お気づきになりましたか」
 声を掛けてきたのは、施療院の院長であった。初老を過ぎた白魔道士であり、その腕は確かなものであった。ここに運ばれてきた自分を看てくれたのも彼なのだろう。クレティアンの姿は見えなかった。もうどこかへ行ってしまったらしい。他の仕事で忙しいのだろう、とメリアドールは見当を付けた。
「なかなかに、深い傷でしたよ。まったくこれだから騎士というものは野蛮でならない…こんな美しい婦人に怪我を負わせるとはね。さあ、もう少し看てさしあげましょう」
 そう言うや否、メリアドールの黒のロングスカートをおもむろにめくりあげ、彼女の白い足をあらわにした。腿の傷を見ると、巻いた包帯の上からなでさすった。その慣れた手つきにメリアドールは思わず嫌悪感を覚えた。
「こういう機会でもないと、なかなか貴女のような方には近づきになれませんからね」
 悪寒が走った。この男は私をいやらしい目つきで見ている。涼しい笑顔の裏に獣の本性が見えるようだった。
「去りなさい」
 メリアドールは一喝した。
「え、何か……」
「私の側から離れなさい、そういったのよ。早く出て行ってちょうだい。あなたに用はないわ」
「ですが、貴女はまだ治療が必要な身、私が側にいないと」
「去りなさいッ!」
 その迫力に気圧されて、思わず男が身を引いた。メリアドールはベッドの上から一歩も動かなかったが、男を睨め付けた。男はしぶしぶといった風情で部屋を後にした。その後も何人かの魔道士が彼女の部屋の扉を叩いたが、メリアドールは一切を無視して寝ていた。少々機嫌が悪かった。

 

 
 トントンと、扉を叩く音で目が覚めた。誰だろうかと思いつつも、無言で返した。しばしの静寂のあと、今度はドンドン、といらだたしげに叩く音。メリアドールが寝たまま返事をしようか逡巡している間に、音の主は扉を蹴破るように入ってきた。
「姉さん! なんでオレを無視するんだ」
「あら、イズだったの。ごめんなさいね、気付かなかったのよ。またどうでもいい輩が群がってきたんじゃないかと思って」
「院長を追い出したんだって? 一体何をやらかしたんだよ…」
 イズルードはベッドの側まで寄ると、横になっている姉の頬にキスをした。メリアド-ルも弟の挨拶にいつものように口づけで応えた。
「だってあの男は、私をまるで……」
 そこまで答えて言いよどんだ姉の姿をイズルードは見た。髪こそスカーフで覆っているものの、うっすらと汗の光る首筋、シーツの上に絡まるスカートの裾からのぞく、形の整った白い脚。それに年相応の色気が上乗せされて、何とも言えない趣を醸し出している。身内の贔屓目を除いても、姉は美しかった。
「ま、院長の気持ちも分からなくはないが……。姉さんは綺麗なんだから」
「あなたまでそんなことを言うのね。私は女でる前に騎士よ、騎士として見て欲しいの。なのに…」
「勿論、姉さんのことは騎士として尊敬してるよ。だってオレ、剣だったら姉さんには敵わないし。で、傷の方はどうなのさ。結構心配してるんだけど」
 オレと違って姉さんは女なんだからあんまり傷が残るかどうか心配で、そう言おうとしたがまた機嫌を損ねそうだったので言わないことにした。
「そうね、さっきまで寝ていたから痛みは大分引いたけど、そろそろ包帯を替えたいのよ。ちょっと替えの包帯を取ってきてくれないかしら。それにお湯とポーションと……あと何か役に立ちそうなものがあればそれも頼むわ。よろしくね、イズ」
「役に立つものね……」

 

 
 わずかな睡眠からメリアドールが目を覚ますと、身体の痛みにうずいた。だが半分夢うつつで、ベッドの上に身体をあずけてまどろんでいた。イズルードを使いに出してからどれくらいが経っただろうかと、彼女が訝しんだその時、扉を叩く音が聞こえた。誰かが来たのだった。「入ってもいいかな」と尋ねる声。イズルードではなかった。あの院長でもなかった。そのまま深く考えずに返事をした。
「メリー、具合は?」
 薄暗がりの部屋に透き通った声が低く響いた。クレティアンだった。予想外の人物にメリアド-ルは飛び上がらんばかりに驚いた。実際にベッドの上に跳ね起きた。
「あぁっ…」
 起きた衝撃の痛みに耐えかねて声を漏らすと、クレティアンが心配そうな顔をした。
 狭い石造りの部屋の中、クレティアンがさっと身を翻してメリアドールの側へ近寄った。丁寧に、ベッドに腰掛けてもいいかと聞いてきたので、もちろん、メリアドールは承知した。ミュロンドの騎士達の中で、彼は珍しくそういった細やかな騎士道精神を持ち合わせた人であった。大方は、彼が学生時代を送ったアカデミーで仕込まれたものだろうとメリアドールは見当を付けている。ガリランドのアカデミーは貴族御用達の場所だと聞いている。そういった身分の人々と接する機会も多かったのだろう。
「ところで、どうしてあなたが……? 私はイズルードに、包帯と、役に立つものと――」
「私なら随分と役に立つだろうな」
 嫌みをこめつつも涼やかな顔で笑うと、クレティアンはさっそくメリアドールを看た。失礼、そう言ってそっとメリアドールの掛け布団をどかすと、服の上から傷を触って確認していった。メリアドールもおとなしく、従順にされるがままになっていた。不思議と嫌な気持ちは起こらなかった。クレティアンが包帯を替え、メリアドールには聞こえない声で何か、おそらくは呪文の類、を呟くのを何とはなしに聞いていた。薄暗がりの部屋の中、その表情はよくわからなかった。ただ静かな、穏やかな時が流れていった。

 

 
「あなたの魔法の腕はたいしたものね」
 彼女の傷口はすっかりふさがっていた。まだ完治には相当の時間を有するだろう、そうつぶやいたクレティアンにメリアドールはこう言い返したのであった。
「魔法ってすごいわね。あんなひどい怪我だったのに、もうどこが傷口なのか分からないわ」
「見た目はね。魔法だった万能じゃないんだよ。外見だけは元通りに治せるけど、実際は身体の回復は追いついていないんだから、安静にするように」
「だけど、手練れの魔道士は魂をも引き戻せるって……」
「それは魔法の賜物というよりは、神の奇跡と言うべきだな」
「そうね、信仰心のなせる業ね」
 イヴァリースにおいては、魔法の使い手たちの多くは聖職者であった。信仰が魔法を生み出すのだと、信じられていた。それがイヴァリースの掟であった。
 魔法、それは傷を癒し怪我を治すもの。だが、本質的に癒しを与えるのは魔法の力ではない、その魔法の使い手の信じる力、癒しを与えることが出来ると、目に見えぬその存在を信じること、その信仰だった。
 メリアドールが運び込まれたこの施療院はミュロンド寺院の敷地に建てられた施設であったが、多くの神殿騎士団員たち――その大半は魔道士であったが――がここで奉仕していた。もともとは貴族や高貴な身分の者のための私的な、小さな礼拝堂として建立されたのだが、過去の黒死病の大流行に加え、一向に収まる気配のない戦乱により傷ついた民のための、安息と治療の場として施療院として使われるようになった。ここで奉仕する者の多くは篤い信仰を持った者達、すなわち手練れの魔道士らであった。だが信仰に生きる者全てが高い徳を持っているという訳ではなかった。
「私をここへ運んできたのはあなたでしょう、クレティアン?」
 メリアドールはベッドの上、顔をうつむけながら小声でありがとう、と呟いた。クレティアンはそれには何も答えず微笑んだだけだった。
「でもどうして、わざわざここを選んだの? 下の階に放って置いてくれてもよかったのに」
 この施療院は二階建てであり、一階を民衆に解放し、上階は、本来の目的である礼拝堂として使われている。メリアドールの運ばれた部屋は、小さく、明かり採り用に上部に申し訳程度に窓があるだけの質素な部屋であった。ベッドに、書き物ようの小型の机。それに人が二人も入ればもう満室となるであろう狭い部屋であったが、壁に掛けられた宗教画、机の上のガラス製のインク壷に飾りペン、ベッドの上の清潔なシーツを見ればここが貴人のために用意された場所であるのが分かった。
「下の階に? あそこはうるさいだろう。ここの方が落ち着いて安静に寝ていられる。それにこの部屋の隣は礼拝堂になっている、祭壇に少しでも近い方が怪我にも効くだろうと思って……」
「ああ、そんなこと、そんなことにも気を配ってくれたなんて、あなたは気の付く人ね。本当に」
「この部屋は貴人らが宿泊した際に、個人的な祈りを捧げる場所か、告解に使うと聞いた。普段はここの院長が使用しているそうだが」
 メリアドールは先程の院長とのやりとりを思い出し、きまりが悪くなった。部屋の隅に置かれた跪拝台を見やった。ここにひざますくべき人物は、まずあの院長だろう。
「罪深き子よ――」

 

 
「――罪深き子よ」
 メリアドールの独り言に近いその言葉を聞いて、反射的にクレティアンは跪拝台の上に膝を落とした。腕を組み、膝を折りこうべを垂れた。礼拝の時に常にそうするように、従順の祈りの形を取った。それに慌てたのはメリアドールだった。
「あら、違うのよ、さっきの独り言はあなたに言ったわけじゃないの」
 取り繕うメリアドールの言葉を、クレティアンは跪拝台に身をもたせたまま聞いていた。両手を台の上で組んだまま頭をあげ、彼女の方へ視線を向けた。
「そう? てっきり、何か怒っているのかと……。ここへ運んでくる時も機嫌悪そうだったからね」
「そ、それは……」
「そんなことより、さっきは院長を追い払ったのは、男と二人きりになりたくなかったのだろう? いいいのか、妙齢のご婦人がこんな男と一緒にいて気に障らないのかい?」
 彼は、多少の嫌みを含んでメリアドールに質問を投げかけた。
「あら、だってあなたはそんなことに興味がないもの」
「それはどういう……?」
「女たちが身を飾り、服を彩り、男たちそんな彼女らの気をひこうと武勲をあげて、そうやって忙しくやりとりしている、そんな俗世のしきたりにはあなたは関心がないでしょう。あなたはもっと、清らかな、信仰の世界を生きる人だわ。だから……」
「ふ、失敬な。私だって人を愛することは出来る。お望みなら――」
 クレティアンは、膝を立て、メリアドールのベッドへ近づこうとした。それを彼女はほほえんで制した。
「あら、だめよ。その愛は私にはもったいないわ。神に捧げるべきものよ」
「ならば、望みのままに。君の回復を祈っておこう」
 クレティアンはそのまま壁へと顔をうつむけ、跪拝台の上、祈りの姿勢を取った。そのまま無言の時が流れた。静謐な時間だった。メリアドールはベッドの上、微動だにせずにそんな彼を見守っていた。床にこぼれるように広がった白いローブの裾、台の上に組まれた綺麗な両手、瞑想に入る穏やかな端正な、横顔。彼の周りの全てのものが美しく調和していた。
 彼は私のために祈ってくれているのだ。メリアドールは思った。それだけで幸せだった。
 自分に近づいてくる男はたくさんいる。団長の娘という立場上、他の騎士たちから注目されることも多い。目立つということは良いことばかりではない。虎視眈々と出世の道を探るものはたくさんいる。そういった人々の中で暮らすのはなかなかに気を遣うことである。他人のために無償で祈りを捧げてくれるような人は希有であった。たとえ信仰を合わせ持った神殿騎士団といえど、中で暮らすのは世俗の人間なのである。
 彼だけは周りの人たちとは一線を画していた。もともとアカデミー出身のエリート意識があるのか、プライドが高いだけなのか、人に媚びへつらうということを一切しない人だった。団長、すなわち彼女の父親に取り入り、高い役職を望む騎士たちを彼女は多く知っていた。いい年をした勇壮な騎士たちが愛想を振りまきながら彼女に近づいてくる。彼は、クレティアンは違った。
 黙々と祈りを捧げるクレティアンの側へ、メリアドールは近づこうと、ベッドから起き上がった。それを気配で察したクレティアンは、まだ安静に、と彼女に言った。
「もう平気よ。それに、あなたの祈りの邪魔をするつもりはないのよ。私も一緒に祈ろうと思って。あなたの隣に座ってもいいかしら」
 彼ほどの学位を持ち得るならば、高位の僧侶となり教会の指導者たることも出来得たはずである。その道を潔く棄てて騎士団へと入ってくるほどの男である。その姿は清々しかった。どういう志を抱いてこの道を選んだのだろう、とメリアドールは常々思っていた。彼の口からその理由が語られることはなかった。信仰に厚い分、世俗の関心事には興味がないのかもしれない……。
 だから、せめて、隣に立って時間を共有したかった。少しでも長く、たくさん、一緒にいたかった。

 

 
 お互いの祈りが済むと、クレティアンは、床に座り込んだままのメリアドールの手を取ると、甲にそっと口づけをした。
「おやすみ」
 それだけ言うと長い白のローブをはためかせながら彼は部屋を去った。
 手のひらにまだ残る彼のぬくもりを撫でながら、嬉しそうにメリアドールもつぶやいた。
「おやすみなさい」